ウィスキーのこと

その昔、「日本人なんだから、日本酒でっしょ。」と日本酒ばかり飲んでいたワタシ。佐賀県は唐津のとあるバーに行ったときに「日本人なんだから日本酒でっしょ。」的な僕の気配に、そこのマスターはニヤニヤしながら「まあ、騙されたと思ってこれを飲んでみてオクレ。」と、あるウィスキーを出してきた訳です。小さなグラスにちょびっと注がれたその明るい茶色の液体をワタシは飲んだ.その時の衝撃と言えば大げさですが、いきなり別の窓が開いたような気がしたもんです。「ナンダ、このサビシイような味わいは?」なにかこうサビシイ風がびゅうっと吹いているところに立たされたような、そんな気分。「これ何?」と驚いてるワタシにマスターは「ボーモアっちゅう酒です。」とのたもうた.これがはじまり。それから、なんだのかんだのマスターが勧めるままに、ショットグラスで飲む、また飲む。珍しいのが入ったと連絡が入ると、飛んでいって飲む.必ずストレートだったね.で、その唐津を去って、しばらくして赴任したのが大分県の日田市。そこにまたとんでもないバーがあった訳です.唐津のバーも日田のバーも同じ名「バー・ヘネシー」。また飲んだ.今でもカウンターの一番端の椅子の座りごごちが忘れられないね。だいたい3杯くらいで酔ってしまっているんだが、それからマスターがいろいろ出してくれる訳.もうなんだかわからなくなってほんとのフラフラで、冬なんか寒い寒い日田の夜を家までよく無事に歩いて帰ったもんだ.おかげで、ウィスキー飲みのハシクレくらいにはなったかしらん。全国様々な街のバーを覗いてきますが、まあ、この話も切りがないのでおいおいということで.さて、我が家の台所の片隅の「余市」ももう残りわずか、自家製のハイボールで今夜もカラカラ、グビっといきます。ハハハッ、もう作る前から美味しいもんね!