街の書たち・その1

 字にはいろいろその字相のようなものがあって、悲しそうだとか、嬉しそうだとか、決意を秘めた様相だとか、自由奔放「オレの世界」的だとか、イロイロサマザマ、人の顔のごとくです。僕がことに気にするのはレストランや喫茶店、その他食べ物関係のお店の看板の字です。まず旨そうでなくっちゃね。字と言っても書と言ってもいいけれど、その面構えが不味そうじゃ話にならない。一見、一瞥、見ただけで「オッ、こりゃ旨そうだね。」と半分店に入ったような気になるような看板がいいじゃないの。全国いろいろお店の字を見てきましたが、今のところこの「皿皿些(サラサラサ)」が一番だね。大分市の繁華街、半分酔っ払った僕の目は白い灯りに裏打ちされたこの字達に釘付けになった。上手い!旨そう!楽しそう!きっと、ここの料理は人を幸せにするだろ。そんな気分になるね。で、店に入ったかというと、これがまだ縁がない。大分市にはちょいちょい行くけれど、酔っ払いは酔っ払いなりに忙しくて、このお店がまだやってるのかどうかも知らないのだ。やってたら、今度はゼッタイ行くで!

皿皿些